作成又は改訂年月

** 2018年9月改訂(下線部分)
(第16版)
* 2017年7月改訂

日本標準商品分類番号

87629

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)

2015年3月

国際誕生年月

1988年4月

薬効分類名

注射用抗真菌剤


承認等

販売名

イトリゾール注1%[200mg]

販売名コード

6290403A1020

承認・許可番号

承認番号

21800AMY10134000

商標名

ITRIZOLE Injection 1%

薬価基準収載年月

2006年12月

販売開始年月

2006年12月

貯法・使用期限等

貯法
遮光、室温保存

使用期限
包装に表示


規制区分

劇薬
処方箋医薬品
注意 -医師等の処方箋により使用すること


組成

本製品は、イトリゾール注1%(200mg/20mL)のアンプル、専用希釈液(40mL)及び専用フィルターセットからなる(「包装」の項参照)。

成分・含量
1アンプル(20mL)中にイトラコナゾールを200mg含有する。

添加物
1アンプル(20mL)中に添加物としてヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン8.0g、プロピレングリコール500μL、塩酸75.2μL、pH調整剤(適量)を含有する。

専用希釈液
成分・含量
1バッグ(40mL)中に塩化ナトリウムを360mg含有する。


性状

外観・性状
無色~微黄色澄明の液

pH
4.2~5.2

専用希釈液
外観・性状
無色澄明の液

pH
4.5~8.0

電解質組成
Na 154mEq/L
Cl 154mEq/L

希釈後の性状
本剤を専用希釈液で希釈したときの溶状、pH及び浸透圧は次のとおりである。
外観
無色澄明の液

**pH
3.6~5.6

**浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約2


一般的名称

イトラコナゾール注射剤


禁忌

(次の患者には投与しないこと)
1. *ピモジド、キニジン、ベプリジル、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、ニソルジピン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、バルデナフィル、エプレレノン、ブロナンセリン、シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)、アスナプレビル、バニプレビル、スボレキサント、イブルチニブ、チカグレロル、アリスキレン、リバーロキサバン、リオシグアトを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

2. 肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

3. クレアチニンクリアランスが30mL/分未満の患者[本剤の添加物であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンが蓄積することによる腎機能の悪化等を招くおそれがある。]

4. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

5. 重篤な肝疾患の現症、既往歴のある患者[不可逆的な肝障害におちいるおそれがある。]

6. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)


効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

1. 真菌感染症
[適応菌種]
アスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコックス属、ブラストミセス属、ヒストプラスマ属

[適応症]
真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎、食道カンジダ症、ブラストミセス症、ヒストプラスマ症

2. 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症

効能又は効果に関連する使用上の注意

1. 本剤は、重度若しくは急性期の真菌感染症患者に使用すること。

2. 食道カンジダ症に対しては、経口抗真菌剤が無効あるいは忍容性に問題があると考えられる場合に本剤を使用すること。

3. 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症に対しては、以下の3条件を満たす患者に本剤を投与すること。

1. 1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱

2. 好中球数が500/mm 3 未満の場合、又は1,000/mm 3 未満で500/mm 3 未満に減少することが予測される場合

3. 適切な抗菌剤投与を行っても解熱せず、抗真菌剤の投与が必要と考えられる場合

4. 発熱性好中球減少症の患者への投与は、発熱性好中球減少症の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。

5. 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症に投与する場合には、投与前に適切な培養検査等を行い、起炎菌を明らかにする努力を行うこと。起炎菌が判明した際には、本剤投与継続の必要性を検討すること。


用法及び用量

通常、成人には投与開始から2日間はイトラコナゾールとして1日400mgを2回に分けて点滴静注する。3日目以降は1日1回200mgを点滴静注する。
投与に際しては、必ず添付の専用フィルターセットを用いて、1時間かけて点滴静注する。


用法及び用量に関連する使用上の注意

1. 本剤の14日間を超えて投与した場合の安全性は確認されていない。継続治療が必要な場合は、以下のとおりイトラコナゾールカプセル剤又は内用液剤に切り替えること。

・イトラコナゾールカプセル剤への切り替え:1回200mg1日2回(1日用量400mg)を食直後に経口投与する。

・イトラコナゾール内用液剤への切り替え:1回20mL1日1回(イトラコナゾールとして200mg)を空腹時に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回量の最大は20mL、1日量の最大は40mLとする。

2. 本剤の調製に際しては、必ず専用希釈液を使用すること。他剤を混合しないこと。

3. 本剤の投与に際しては、他剤との同時注入を行わないこと。(「適用上の注意」の項参照)

4. 本剤投与の前後に生理食塩液によるライン洗浄(フラッシング)を行うこと。(「適用上の注意」の項参照)



使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
1. 腎障害のある患者(「重要な基本的注意」、「その他の注意」、「薬物動態」の項参照)

2. うっ血性心不全又はその既往歴のある患者[うっ血性心不全の悪化又は再発を来すおそれがある(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]

3. 薬物過敏症の既往歴、アレルギー既往歴のある患者

4. 肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

5. ワルファリンを投与中の患者(「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照)

6. 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)


重要な基本的注意

1. 腎機能障害のある患者に本剤を投与する場合には、血清クレアチニン値を測定するなど観察を十分に行い、腎機能障害の悪化がみられた場合には他の抗真菌剤への切り替えも考慮すること。(「その他の注意」、「薬物動態」の項参照)

2. 本剤を健康成人に投与したところ、一過性かつ無症候性の左室駆出率の低下が観察された。イトラコナゾールは陰性変力作用を有することが示されていることから、本剤はうっ血性心不全又はその既往歴のある患者に対しては、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。

3. 虚血性心疾患、基礎心疾患(弁膜症等)、慢性閉塞性肺疾患、腎不全、その他の浮腫性疾患等うっ血性心不全を起こすおそれのある患者に対して本剤を投与する場合には、その危険性について十分に説明するとともに、下肢浮腫、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照)

4. 本剤の投与に際しては、肝疾患の既往歴、薬物過敏症、アレルギー既往歴等について十分な問診を行い、これらの現症又は既往歴のある患者については、投与中止又は慎重投与について考慮すること。

5. 本剤の投与に際しては、血液検査、肝機能・腎機能検査、血中電解質検査等を定期的に行うことが望ましい。

6. 本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されている。本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること(「相互作用」の項参照)。

7. 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症の場合

1. 本剤投与開始後に、腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には、速やかに投与を中止すること。

2. 本剤投与開始後は随時治療効果を評価し、効果が認められない場合は、本剤の中止、他の薬剤に変更するなど適切な処置を行うこと。


相互作用

本剤は、主に肝チトクロームP450 3A4(CYP3A4)によって代謝される。また、本剤は、CYP3A4及びP糖蛋白に対して阻害作用を示す。他の薬剤との相互作用はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤による治療中に新たに本剤を併用したり、本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、患者の状態を十分観察し、慎重に投与すること。また、本剤投与終了後の血漿中薬物濃度は、本剤の投与量及び投与期間に応じて徐々に低下するため、本剤によって代謝が影響される薬剤の投与開始に際しては患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。


併用禁忌

(併用しないこと)

1. 薬剤名等

ピモジド (オーラップ)
キニジン 1),2) (硫酸キニジン)
ベプリジル 3) (ベプリコール)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度上昇により、QT延長が発現する可能性がある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

2. 薬剤名等

トリアゾラム 4) (ハルシオン)

臨床症状・措置方法

トリアゾラムの血中濃度上昇、作用の増強、作用時間の延長があらわれることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

3. 薬剤名等

シンバスタチン 5) (リポバス)

臨床症状・措置方法

シンバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症があらわれやすくなる。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

4. 薬剤名等

アゼルニジピン (カルブロック、レザルタス配合錠)
ニソルジピン 6) (バイミカード)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

5. 薬剤名等

エルゴタミン (クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン (ジヒデルゴット)
エルゴメトリン (エルゴメトリンマレイン酸塩注)
メチルエルゴメトリン (メテルギン)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度上昇により、血管攣縮等の副作用が発現するおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

6. 薬剤名等

バルデナフィル (レビトラ)

臨床症状・措置方法

バルデナフィルのAUCが増加しC max が上昇するとの報告がある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

7. 薬剤名等

エプレレノン 7) (セララ)

臨床症状・措置方法

エプレレノンの血中濃度を上昇させるおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

8. 薬剤名等

ブロナンセリン (ロナセン)

臨床症状・措置方法

ブロナンセリンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

9. 薬剤名等

シルデナフィル 8) (レバチオ)

臨床症状・措置方法

シルデナフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(シルデナフィルとリトナビルの併用により、シルデナフィルのC max 及びAUCがそれぞれ3.9倍及び10.5倍に増加したとの報告がある)。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

10. 薬剤名等

タダラフィル (アドシルカ)

臨床症状・措置方法

タダラフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(タダラフィルとケトコナゾールの併用により、タダラフィルのAUC及びC max がそれぞれ312%及び22%増加したとの報告がある)。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

11. 薬剤名等

* アスナプレビル (スンベプラ、ジメンシー配合錠)

臨床症状・措置方法

アスナプレビルの血中濃度が上昇し、肝臓に関連した副作用が発現、重症化するおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

12. 薬剤名等

バニプレビル (バニヘップ)

臨床症状・措置方法

バニプレビルの血中濃度が上昇し、悪心、嘔吐、下痢の発現が増加するおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

13. 薬剤名等

スボレキサント (ベルソムラ)

臨床症状・措置方法

スボレキサントの作用を著しく増強させるおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

14. 薬剤名等

イブルチニブ (イムブルビカ)

臨床症状・措置方法

イブルチニブの血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

15. 薬剤名等

* チカグレロル (ブリリンタ)

臨床症状・措置方法

チカグレロルの血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

16. 薬剤名等

アリスキレン 9) (ラジレス)

臨床症状・措置方法

イトラコナゾールカプセルの併用投与(空腹時)により、アリスキレンのC max 及びAUCがそれぞれ約5.8倍及び約6.5倍に上昇したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤のP糖蛋白阻害作用により、アリスキレンの排泄が阻害されると考えられる。

17. 薬剤名等

リバーロキサバン (イグザレルト)

臨床症状・措置方法

リバーロキサバンの血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある(リバーロキサバンとケトコナゾールの併用により、リバーロキサバンのAUC及びC max がそれぞれ158%及び72%増加したとの報告がある)。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、リバーロキサバンの代謝及び排泄が阻害され、抗凝固作用が増強されると考えられる。

18. 薬剤名等

リオシグアト (アデムパス)

臨床症状・措置方法

リオシグアトの血中濃度を上昇させるおそれがある(リオシグアトとケトコナゾールの併用により、リオシグアトのAUC及びC max がそれぞれ150%及び46%増加し、また、消失半減期が延長し、クリアランスも低下したとの報告がある)。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、リオシグアトのクリアランスが低下することが考えられる。


併用注意

(併用に注意すること)
併用により、下記の薬剤の血中濃度を上昇させることがあるので、併用する場合には、必要に応じて下記の薬剤の投与量を減量するなど用量に注意すること。

1. 薬剤名等

アトルバスタチン 10)

臨床症状・措置方法

横紋筋融解症があらわれやすくなる。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

2. 薬剤名等

ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 (ビンクリスチン 11) 等)

臨床症状・措置方法

ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の副作用が増強されることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

3. 薬剤名等

メチルプレドニゾロン 12)
デキサメタゾン 13)
ブデソニド 14)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の副作用が増強されることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

4. 薬剤名等

コルヒチン

臨床症状・措置方法

コルヒチンの作用が増強されることがある。
なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者には、本剤を併用しないこと。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

5. 薬剤名等

ジソピラミド

臨床症状・措置方法

ジソピラミドの血中濃度上昇により、QT延長が発現する可能性がある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

6. 薬剤名等

ベンゾジアゼピン系薬剤(ミダゾラム 15) 、ブロチゾラム、アルプラゾラム 16)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

7. 薬剤名等

抗精神病薬(ハロペリドール、アリピプラゾール 17) 、ペロスピロン 18) 、クエチアピン)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
・本剤とアリピプラゾールの併用により、アリピプラゾールのC max 、AUC、t 1/2 がそれぞれ19.4%、48.0%、18.6%増加したとの報告がある。
・本剤とペロスピロンの併用により、ペロスピロンのC max 及びAUCがそれぞれ5.7倍及び6.8倍増加したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

8. 薬剤名等

免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス水和物 19)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

9. 薬剤名等

抗悪性腫瘍剤(ドセタキセル水和物 20) 、エベロリムス、テムシロリムス、ゲフィチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ボルテゾミブ、イマチニブ、スニチニブ)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

10. 薬剤名等

オピオイド系鎮痛剤(フェンタニル、オキシコドン 21) 、メサドン)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
・本剤とオキシコドンの併用により、オキシコドンのクリアランスが32%減少し、AUCが51%増加したとの報告がある(オキシコドン注射剤)。また、オキシコドンのAUCが144%上昇したとの報告がある(オキシコドン経口剤)。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

11. 薬剤名等

ブプレノルフィン
セレギリン 22)
ガランタミン
モザバプタン
トルバプタン
エレトリプタン
サルメテロール
シクレソニド
フルチカゾン
アプレピタント
イミダフェナシン 23)
ソリフェナシン
トルテロジン
シロスタゾール
シナカルセト
エバスチン
サキナビル
ダルナビル
マラビロク

オキシブチニン
ドンペリドン

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
・トルバプタンとの併用が避けられない場合は、トルバプタンの減量あるいは、低用量から開始するなど用量に注意すること。
・本剤とイミダフェナシンの併用により、イミダフェナシンのC max 及びAUCがそれぞれ1.32倍及び1.78倍増加したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

12. 薬剤名等

シルデナフィル (バイアグラ)

臨床症状・措置方法

シルデナフィルとエリスロマイシンの併用によりシルデナフィルのC max 、AUCの増加が認められたとの報告がある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

13. 薬剤名等

タダラフィル (シアリス、ザルティア)

臨床症状・措置方法

タダラフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(タダラフィルとケトコナゾールの併用により、タダラフィルのAUC及びC max がそれぞれ312%及び22%増加したとの報告がある)。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

14. 薬剤名等

ワルファリン 24)

臨床症状・措置方法

ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇があらわれることがある(「重要な基本的注意」の項参照)。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

15. 薬剤名等

シメプレビル

臨床症状・措置方法

シメプレビルの血中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがあるので、本剤とシメプレビルを併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

16. 薬剤名等

アキシチニブ

臨床症状・措置方法

アキシチニブの血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがある。やむを得ず併用する際にはアキシチニブの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

17. 薬剤名等

フェソテロジン

臨床症状・措置方法

活性代謝物5-HMTの血漿中濃度の上昇に伴い効果や副作用の増強が予想される。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

18. 薬剤名等

ボセンタン

臨床症状・措置方法

ボセンタンの血中濃度が上昇し、ボセンタンの副作用が発現しやすくなるおそれがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。

19. 薬剤名等

ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤(ニフェジピン 25) 、ニルバジピン、フェロジピン 26) 等)
ベラパミル 27)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。また、心機能が低下する可能性がある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。また、両剤の心抑制作用が増強する可能性がある。

20. 薬剤名等

イリノテカン

臨床症状・措置方法

イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が上昇することがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4阻害作用により、イリノテカンの活性代謝物の無毒化が阻害されると考えられる。

21. 薬剤名等

ニロチニブ

臨床症状・措置方法

ニロチニブの血中濃度が上昇し、QT延長があらわれることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、ニロチニブの代謝及び排泄が阻害されると考えられる。

22. 薬剤名等

アピキサバン

臨床症状・措置方法

アピキサバンの血中濃度を上昇させることがある。

機序・危険因子

本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、アピキサバンの代謝及び排泄が阻害されると考えられる。

23. 薬剤名等

ジゴキシン 28)
ブスルファン 29)

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
本剤とブスルファンの併用により、ブスルファンのクリアランスが20%減少したとの報告がある。

機序・危険因子

機序不明
併用により、本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には、必要に応じて本剤の投与量を減量するなど用量に注意すること。

薬剤名等

クラリスロマイシン 30)
リトナビル
ホスアンプレナビル/リトナビル
エリスロマイシン
シプロフロキサシン 31)

臨床症状・措置方法

本剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤とシプロフロキサシンの併用により、イトラコナゾールのC max 及びAUCがそれぞれ53.13%及び82.46%増加したとの報告がある。

機序・危険因子

これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
併用により、相互の血中濃度に影響を及ぼすことがあるので、併用する場合には、必要に応じて本剤又は下記の薬剤の投与量を調節するなど用量に注意すること。

1. 薬剤名等

インジナビル
テラプレビル

臨床症状・措置方法

本剤又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

機序・危険因子

本剤及びこれらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、血中濃度の変化が起こる場合がある。

2. 薬剤名等

ダルナビル/リトナビル

臨床症状・措置方法

本剤又はダルナビルの血中濃度が上昇する可能性がある(ダルナビル/リトナビルとケトコナゾールの併用により、ダルナビルとケトコナゾールの血中濃度の上昇が認められたとの報告がある)。

機序・危険因子

本剤及びこれらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、血中濃度の変化が起こる場合がある。

3. 薬剤名等

カルバマゼピン 32),33)
エトラビリン
リファブチン

臨床症状・措置方法

本剤の血中濃度が低下することがある。また、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

機序・危険因子

これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の肝代謝が促進される。また、本剤のCYP3A4に対する阻害作用によりこれらの薬剤の代謝が阻害される。
併用により、本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には、必要に応じて本剤の投与量、両剤の投与間隔を調節するなど注意すること。

薬剤名等

リファンピシン
フェニトイン
イソニアジド 34)
フェノバルビタール
エファビレンツ
ネビラピン 35)

臨床症状・措置方法

本剤の血中濃度が低下することがある。
本剤とネビラピンの併用により、本剤のC max 、AUC及びt 1/2 がそれぞれ38%、61%及び31%減少したとの報告がある。

機序・危険因子

これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の肝代謝が促進される。
併用により、下記の薬剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には、必要に応じて下記の薬剤の投与量を調節するなど用量に注意すること。

薬剤名等

メロキシカム 36)

臨床症状・措置方法

本剤とメロキシカムの併用により、メロキシカムのC max 及びAUCがそれぞれ64%及び37%減少したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤がメロキシカムの消化管からの吸収を抑制すると考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

<承認時>
承認時までに国内で実施した臨床試験(注射剤を2週間投与し、その後必要に応じカプセル剤を長期継続投与)での安全性評価対象例51例(うちカプセル剤継続投与36例)中、副作用(臨床検査値異常を含む)は33例(64.71%)に認められ、主なものは、ALT(GPT)増加、下痢、低カリウム血症等であった。
なお、注射剤投与期間は51例中25例(49.02%)72件、カプセル剤投与期間は36例中24例(66.67%)44件に副作用が認められた。
(表1参照)

<本剤からイトリゾール内用液1%への切り替え投与承認時>
真菌感染症:真菌感染症に対する臨床試験(注射剤を3から14日間投与し、その後内用液を継続投与)での安全性評価対象16例(うち内用液継続投与13例)中、副作用(臨床検査値異常を含む)は16例(100%)に認められ、主なものは、下痢10例(62.5%)、尿中β 2 ミクログロブリン増加7例(43.8%)、低カリウム血症6例(37.5%)等であった。

真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症:真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症に対する臨床試験(注射剤を3から14日間投与し、その後内用液を継続投与)での安全性評価対象23例(うち内用液継続投与22例)中、副作用(臨床検査値異常を含む)は22例(95.7%)に認められ、主なものは、低カリウム血症11例(47.8%)、肝障害9例(39.1%)等であった。

<再審査終了時>
使用成績調査(注射剤を2週間投与し、その後必要に応じ経口剤を長期継続投与)における副作用(臨床検査値異常を含む)は1060例中311例(29.34%)に認められ、主なものは肝機能異常72例(6.79%)、低カリウム血症72例(6.79%)、AST(GOT)増加30例(2.83%)、肝障害28例(2.64%)、ALT(GPT)増加25例(2.36%)、腎障害23例(2.17%)、Al-P増加21例(1.98%)等であった。


表1  国内臨床試験での主な副作用


副作用名 全投与期間
(n=51)
注射剤投与期間
(n=51)
カプセル剤継続投与期間
(n=36)
ALT(GPT)増加 6(11.76%) 5(9.80%) 4(11.11%)
下痢 6(11.76%) 3(5.88%) 4(11.11%)
低カリウム血症 6(11.76%) 1(1.96%) 6(16.67%)
AST(GOT)増加 4(7.84%) 3(5.88%) 3(8.33%)
γ-GTP増加 3(5.88%) 3(5.88%) 0
発疹 3(5.88%) 2(3.92%) 1(2.78%)
便秘 3(5.88%) 1(1.96%) 2(5.55%)


重大な副作用

1. ショック、アナフィラキシー
頻度不明
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、チアノーゼ、冷汗、血圧低下、呼吸困難、胸内苦悶等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2. うっ血性心不全(0.72%)、肺水腫(頻度不明)
うっ血性心不全、肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、下肢浮腫、呼吸困難等の症状に注意し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3. 肝障害(2.52%)、胆汁うっ滞(頻度不明)、黄疸(0.09%)
肝障害、胆汁うっ滞、黄疸等があらわれることがあるので、食欲不振、嘔気、嘔吐、倦怠感、腹痛、褐色尿等の症状に注意し、肝機能検査を行うことが望ましい。異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)、剥脱性皮膚炎(0.18%)、多形紅斑(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎(紅皮症)、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5. 間質性肺炎
(0.63%)
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、適切な処置を行うこと。


その他の副作用

1. 感染症
頻度不明
鼻炎

2. 過敏症
頻度不明
血管浮腫

3. 代謝・栄養
1%以上
低カリウム血症、低ナトリウム血症

4. 代謝・栄養
1%未満
高カリウム血症、食欲減退、血中コレステロール減少、高トリグリセリド血症

5. 代謝・栄養
頻度不明
総コレステロール増加

6. 精神神経系
1%未満
浮動性めまい、頭痛、不安、振戦、不眠、傾眠

7. 精神神経系
頻度不明
錯感覚、末梢神経障害、感覚鈍麻、錯乱状態

8. 循環器
1%未満
血圧上昇、徐脈、動悸、血管障害、不整脈、右脚ブロック、潮紅、低血圧

9. 循環器
頻度不明
心室性期外収縮、狭心症発作、心電図異常、頻脈、高血圧

10. 呼吸器
1%未満
呼吸困難、咳嗽、発声障害

11. 呼吸器
頻度不明
咽喉頭疼痛

12. 消化器
1%未満
悪心、下痢・軟便、便秘、腹部不快感、嘔吐、口内炎、腹部膨満、腹痛、上腹部痛、鼓腸、胃炎、胃十二指腸潰瘍

13. 消化器
頻度不明
消化不良、おくび、舌炎、腹部腰背部痛、口腔内痛、歯周炎

14. 肝臓
1%以上
肝機能異常、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、Al-P増加、γ-GTP増加、LDH増加

15. 肝臓
1%未満
高ビリルビン血症

16. 肝臓
頻度不明
LAP増加

17. 皮膚
1%以上
発疹

18. 皮膚
1%未満
湿疹、蕁麻疹、そう痒症、皮膚乾燥、紅斑、皮膚腫脹

19. 皮膚
頻度不明
白血球破砕性血管炎、脱毛、光線過敏性反応、紅斑性発疹

20. 腎臓
1%以上
腎障害

21. 腎臓
1%未満
尿検査異常、血尿、頻尿、尿円柱、尿量減少

22. 腎臓
頻度不明
尿失禁、腎機能検査値異常 注) 、腎尿細管障害、蛋白尿

23. 血液
1%以上
白血球減少

24. 血液
1%未満
白血球増多、好中球増加、血小板減少、好中球減少、貧血、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少

25. 血液
頻度不明
顆粒球減少、好酸球増多

26. 生殖器
頻度不明
勃起不全、月経異常

27. 臨床検査
1%以上
BUN上昇

28. 臨床検査
1%未満
血中クレアチニン増加、体重増加、CRP増加

29. 臨床検査
頻度不明
尿糖陽性、血清尿酸上昇、血中リン増加、血中アミラーゼ増加、総蛋白増加、CK(CPK)増加

30. その他
1%未満
発熱、倦怠感、浮腫、末梢性浮腫、投与部位反応、異常感、悪寒、自傷、無力症、腫脹、筋硬直、投与部位疼痛

31. その他
頻度不明
血清病、視覚障害(霧視、複視を含む)、筋痛、関節痛、耳鳴、難聴、味覚異常、胸痛、高血糖、多汗症、顔面浮腫


注)イトリゾール内用液の国内臨床試験において認められた以下の事象を含む:尿中β 2 ミクログロブリン増加、β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿中α 1 ミクログロブリン増加、尿検査異常


高齢者への投与

高齢者における本剤使用の臨床データが限られているため、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。


妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット 37) 、マウス 38) )で催奇形性が報告されている。]

2. 授乳中の婦人には本剤投与中の授乳を避けさせること。[ヒトで母乳中へ移行することが報告されている 39) 。]


小児等への投与

小児等に対する安全性は確立されていない(使用経験がない)。


過量投与

徴候、症状
高用量のイトラコナゾールを投与した患者の転帰に関するデータは限られている。イトラコナゾール1000mgから3000mgまでを経口投与した場合及びイトラコナゾール注射剤を1日2回、4日間点滴静注した場合に認められた有害事象は、推奨用量を投与した場合と類似している。

処置
過量投与した場合には応急措置を取ること。なお、本剤は血液透析によって除去できない。


適用上の注意

1. 投与経路
本剤は点滴静注にのみ使用すること。他剤と同じラインで同時注入すると、イトラコナゾールが析出する可能性がある。投与に際しては、専用フィルターセットを用い独立した点滴ラインとすること。他品を代用してはならない。

2. 調製時
1. 本剤と専用希釈液との容量比が1:2以外ではイトラコナゾールが析出する可能性がある。

2. 専用希釈液に本剤を注入した直後、イトラコナゾールの析出により白濁することがあるが、混和することにより再溶解し澄明な溶液に戻る。目視により析出物がないことを確認すること。

3. 調製後は速やかに使用すること。やむをえない場合は、直射日光を避け、2~8℃で保存し、24時間以内に使用すること。

3. 投与方法
1. 本剤1アンプル全量を専用希釈液に1回の操作で注入後、静かに混和し、専用フィルターセットのビン針を挿入する。

2. 専用フィルターセットのクレンメを緩め、専用フィルターセットの三方活栓まで希釈後溶液を満たす。

3. 5~10mLの生理食塩液を専用フィルターセットの三方活栓から流し、フィルターを予め生理食塩液で満たし、専用フィルターセットを留置針等の患者側ラインに接続する。その後、留置針等の患者側ライン中に残留する他の薬剤との混合を避けるため、生理食塩液を専用フィルターセットの三方活栓経由でゆっくり注入し、留置針等の患者側ラインを洗浄(フラッシング)する。

4. 1時間かけて全量投与する。(投与速度が1mL/分になるように専用フィルターセットの点滴筒を1秒1滴に調節する)

5. 留置針等の患者側ライン中に残留する本剤が他の薬剤と混合することを避けるため、投与終了後生理食塩液を専用フィルターセットの三方活栓経由でゆっくり注入し、留置針等の患者側ラインを洗浄(フラッシング)する。

6. 使用済みの専用フィルターセットは廃棄し、再使用しないこと。


その他の注意

1. ラット及びイヌの3ヵ月静脈内投与試験において、添加物のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、腎機能には影響を与えないが、腎臓及び膀胱において、高張な物質を排泄する過程で生じる適応性変化と考えられる浸透圧性腎症がみられている。この所見は3ヵ月の休薬後も軽度に残存していたものの、回復性が認められた。

2. 1ヵ月間静脈内投与試験において、ラットでは7.5mg/kg/日以上、イヌでは2.5mg/kg/日以上で副腎皮質の腫脹を伴う副腎重量の増加が認められている。

3. 類似化合物(ミコナゾール)では血糖降下剤との併用により、著しい血糖低下が認められたとの報告がある。



薬物動態

1. 血中濃度
1. 単回投与
健康成人に本剤をイトラコナゾールとして50mg、100mg、200mgを1時間で単回静脈内投与したときの未変化体及びその主活性代謝物ヒドロキシイトラコナゾールの血漿中濃度は用量依存的に推移した 40)



(表2参照)

2. 反復投与
健康成人に本剤をイトラコナゾールとして100mg(n=6)、200mg(n=6)を投与開始から2日間は1日2回、3日目以降は1日1回5日間点滴静脈内投与したとき、未変化体と主活性代謝物の血漿中濃度は、投与2日後にはほぼ定常状態に達した 41)



2. 分布
1. 体組織への分布 42)
外国人(患者・健康成人)のデータでは、イトラコナゾール100mg経口投与後の肺、腎、肝、皮膚等の組織内未変化体濃度は血漿中濃度よりも高かった。

2. 乳汁移行性 39)
外国人(健康女性)のデータでは、授乳婦にイトラコナゾール1回200mgを1日2回経口投与したとき、乳汁中に未変化体が検出された。

3. 血漿蛋白結合率 43)
99.8%( in vitro 、平衡透析法、0.5μg/mL)

3. 代謝
ヒトにイトラコナゾールを経口投与したとき、肝臓で主に代謝され、主な代謝物はヒドロキシイトラコナゾールである。
代謝物の活性の有無 :ヒドロキシイトラコナゾール(主活性代謝物)は、未変化体と比較してほぼ同等の抗真菌活性を示す 44)
代謝酵素(チトクロームP450)の分子種 :CYP3A4

4. 排泄
健康成人に本剤を単回及び反復静注したとき、未変化体及びヒドロキシイトラコナゾールの尿中排泄率はそれぞれ投与量の1%未満であった 40),41)

5. 腎機能障害患者における薬物動態(外国人)
腎機能低下を示す外国人患者を対象に本剤200mgを1時間かけて単回静脈内持続投与(ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン8g含有)したとき、中等度(クレアチニンクリアランス(Ccr)20~49mL/分)及び重度(Ccr<20mL/分)腎機能障害患者では腎機能正常患者に比べ、未変化体のAUCがそれぞれ約30%及び40%減少した。また、重度腎機能障害患者では腎機能正常患者に比べ、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの全身クリアランスが1/6に減少し、t 1/2 が6倍に延長した 45)

6. ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン
健康成人に対して本剤を1時間かけて単回静脈内持続投与したとき、添加物であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの血中濃度は、2~8gの用量範囲において線形性が認められた。また、投与後24時間以内に投与量の83.5~94.3%が尿中に排泄された 40),41)


表2  健康成人に単回投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±S.D.)


用量 50mg(n=10) 100mg(n=10) 200mg(n=10)
未変化体(ITCZ)      
 C max (ng/mL) 701.7±119.7 1549.2±204.9 3201.7±1055.0
 T max (hr) 0.9±0.2 1.0±0.0 0.9±0.2
 t 1/2 (hr) 12.1±4.7 21.0±5.9 22.0±3.8
 AUC(ng・hr/mL) 1959.7±464.9 5484.7±972.2 17020.0±4793.4
主活性代謝物(OH-ITCZ)      
 C max (ng/mL) 97.6±23.2 260.3±56.1 565.6±124.1
 T max (hr) 1.2±0.1 1.3±0.1 4.2±3.7
 t 1/2 (hr) 8.5±1.8 10.1±1.6 13.5±4.9
 AUC(ng・hr/mL) 1078.4±557.6 4772.3±1337.4 21031.5±9406.6


臨床成績

1. 国内で実施された臨床試験 46)
本剤最大2週間投与後カプセル剤を最大12週間投与した臨床試験における総合効果の有効性は以下のとおりであった。
(表3参照)

2. 海外で実施された臨床試験
1. 侵襲性肺アスペルギルス症 47)
血液疾患等を基礎疾患に有する侵襲性肺アスペルギルス症患者31例を対象に、イトラコナゾール注射剤2週間投与後カプセル剤12週間投与した臨床試験では、イトラコナゾール投与終了時の改善率は48%(15/31例)であった。

2. 発熱性好中球減少症 48)
発熱性好中球減少症患者を対象に、イトラコナゾール注射剤1~2週間投与後内用液を好中球数が2日間連続で500/μLを超えるまで投与した臨床試験では、総合臨床効果は47%(84/179例)であった。


表3


菌種 疾患名 有効例/症例
アスペルギルス属 侵襲性肺アスペルギルス症 2/4
アスペルギルス属 慢性壊死性肺アスペルギルス症 5/8
アスペルギルス属 アスペルギローマ 3/6
アスペルギルス属 アスペルギルス性骨髄炎 1/1
アスペルギルス属 小計 11/19(57.9%)
カンジダ属 カンジダ血症(播種性含む) 1/3
カンジダ属 肺カンジダ症 1/1
カンジダ属 食道カンジダ症 2/2
カンジダ属 尿路カンジダ症 1/1
カンジダ属 小計 5/7(71.4%)
クリプトコックス属 肺クリプトコックス症 5/5
クリプトコックス属 小計 5/5(100%)
合計 合計 21/31(67.7%)


薬効薬理

1. 抗真菌作用
1. アスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコックス属、ブラストミセス属、ヒストプラスマ属に対して in vitro で強い抗真菌活性を示した 49)~52)

2. マウス、モルモットの免疫正常動物及び実験的な免疫不全動物におけるアスペルギルス症、カンジダ症、クリプトコックス症に対して高い有効性を示した 52)~54)

2. 作用機序 55)
真菌のチトクロームP450に特異的に作用して、真菌の細胞膜の主要構成脂質であるエルゴステロールの生合成を阻害する。イトラコナゾールは哺乳類由来のチトクロームP450には影響が少なかった。


有効成分に関する理化学的知見

一般名
イトラコナゾール(JAN)、Itraconazole(JAN,INN)

化学名
4-(4-{4-[4-({(2 RS ,4 SR )-2-(2,4-Dichlorophenyl)-2-[(1 H -1,2,4-triazol-1-yl)methyl]-1,3-dioxolan-4-yl}methoxy)phenyl]piperazin-1-yl}phenyl)-2-[(1 RS )-1-methylpropyl]-2,4-dihydro-3 H -1,2,4-triazol-3-one
4-(4-{4-[4-({(2 SR ,4 RS )-2-(2,4-Dichlorophenyl)-2-[(1 H -1,2,4-triazol-1-yl)methyl]-1,3-dioxolan-4-yl}methoxy)phenyl]piperazin-1-yl}phenyl)-2-[(1 RS )-1-methylpropyl]-2,4-dihydro-3 H -1,2,4-triazol-3-one

分子式
C 35 H 38 Cl 2 N 8 O 4

分子量
705.63

化学構造式


性状
白色の粉末である。

溶解性
N N -ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水及び2-プロパノールにほとんど溶けない。

融点
166~170℃

分配係数
logP=5.62(1-オクタノール/pH6.0緩衝溶液)
logP=5.67(1-オクタノール/pH8.1緩衝溶液)


包装

イトリゾール注1%(200mg/20mL) 1管

専用希釈液(40mL) 1バッグ

専用フィルターセット 1個

**(医療機器認証番号: 第222AABZX00173000号


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52. Van Cutsem, J., et al.:Rev. Infect. Dis., 9 (Suppl. 1), S15, 1987

53. Van Cutsem, J.:Mycoses, 32 (Suppl. 1), 14, 1989

54. 内田勝久,他:Jpn. J. Antibiotics, 44 , 588, 1991

55. Vanden Bossche, H., et al.:Mycoses, 32 (Suppl. 1), 35, 1989


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