作成又は改訂年月

2016年12月改訂
(第6版、投薬期間制限の解除に伴う改訂)
* 2016年9月改訂

日本標準商品分類番号

874291

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月

2011年4月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤


承認等

販売名

カプレルサ錠100mg


販売名コード

4291041F1029

承認・許可番号

承認番号

22700AMX01003

商標名

Caprelsa



薬価基準収載年月

2015年11月

販売開始年月

2015年12月

使用期限等

貯 法
室温保存

使用期限
外箱に表示


規制区分

劇薬
処方箋医薬品
注意-医師等の処方箋により使用すること


組成

有効成分(1錠中)
バンデタニブ100mg

添加物
リン酸水素カルシウム水和物、結晶セルロース、クロスポビドン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール300、酸化チタン


性状

色・剤形
白色のフィルムコーティング錠

外形

 

 


直径
約8.5mm

厚さ
約3.9mm

重量
約0.26g

識別コード
Z100


一般的名称

バンデタニブ製剤


警告

1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、疲労等)の確認、胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」及び「4.副作用の項(1)」の項参照]

3. QT間隔延長があらわれることがあるので、定期的な心電図検査及び電解質検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤と併用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。[【禁忌】、〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」、「3.相互作用」及び「4.副作用の項(1)」の項参照]


禁忌

(次の患者には投与しないこと)
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2. 先天性QT延長症候群のある患者[QT間隔延長が増悪するおそれがある。「 1.慎重投与 」、「 2.重要な基本的注意 」、「 3.相互作用 」及び「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

3. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「 6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 」の項参照]


効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

根治切除不能な甲状腺髄様癌


用法及び用量

通常、成人にはバンデタニブとして1回300mgを1日1回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。


用法及び用量に関連する使用上の注意

1. 副作用により本剤を減量、休薬又は中止する場合には、副作用の症状、重症度に応じて以下の基準を考慮すること。[ 【警告】 、「 2.重要な基本的注意 」及び「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

QT間隔延長

休薬・減量基準:

500msecを超えるQTcB

投与量調節:

QTcBが480msec以下に軽快するまで本剤を休薬し、再開する場合には休薬前の投与量から減量すること。本剤を休薬し、6週間以内に480msec以下に軽快しない場合には、本剤の投与を中止すること。

その他の副作用

休薬・減量基準:

グレード3以上

投与量調節:

回復又はグレード1に軽快するまで本剤を休薬し、再開する場合には休薬前の投与量から減量すること。

グレードはCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)ver.4.0に準じる。

2. 本剤を減量する場合には、1日1回200mgに減量し、その後必要であれば100mgに減量すること。

3. 腎機能障害患者では、本剤の血中濃度が上昇することが報告されているため、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。[「 1.慎重投与 」、 【薬物動態】 及び 【臨床成績】 の項参照]

4. 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。



使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
1. 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患が増悪又は発現するおそれがある。「 2.重要な基本的注意 」及び「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

2. QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者[QT間隔延長が起こるおそれがある。「 2.重要な基本的注意 」、「 3.相互作用 」及び「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

3. 心不全症状のある患者又はその既往歴のある患者[症状が増悪するおそれがある。「 2.重要な基本的注意 」及び「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

4. 高血圧症の患者[高血圧が増悪するおそれがある。「 2.重要な基本的注意 」及び「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

5. 腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉 及び 【薬物動態】 の項参照]


重要な基本的注意

1. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認、定期的な胸部画像検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO 2 )、動脈血酸素飽和度(SpO 2 )、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO 2 )、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。[「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

2. QT間隔延長があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質を補正するとともに、QT間隔延長、不整脈等があらわれた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。[「 3.相互作用 」及び「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

3. 不整脈、心不全等の重篤な心障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中はこれらの症状の発現状況・重篤度等に応じて適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。[「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

4. 血圧の上昇があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に血圧測定を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて降圧剤の投与等を行うとともに、重症、持続性又は通常の降圧治療でコントロールできない高血圧があらわれた場合には本剤の休薬を行うこと。[「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

5. AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビン等の上昇を伴う肝障害があらわれることがあるので、投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。[「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

6. 手足症候群、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑等の皮膚障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、必要に応じて皮膚科を受診するよう、患者に指導すること。[「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

7. 創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断すること。外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること。

8. 霧視等の重篤な眼障害があらわれることがあるので、投与中は定期的に眼の異常の有無を確認すること。異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[「 4.副作用の項(2) 」の項参照]

9. 疲労、霧視等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。[「 4.副作用の項(2) 」の項参照]

10. 本剤を投与する際は、定期的に血清カルシウム濃度を測定すること。[「 4.副作用の項(1) 」の項参照]

11. 本剤を投与する際は、定期的に甲状腺刺激ホルモン濃度を測定すること。[「 4.副作用の項(2) 」の項参照]


相互作用

相互作用の概略

本剤はCYP3A4の基質となる。また、本剤は有機カチオントランスポーター2(OCT2)及びP-糖蛋白を阻害することが示されている。


併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等

抗不整脈剤
 キニジン
 プロカインアミド
 ジソピラミド等
QT間隔延長を起こすおそれがある他の薬剤
 オンダンセトロン
 クラリスロマイシン
 ハロペリドール等

臨床症状・措置方法

QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがあるので、QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤と併用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。[ 【薬物動態】 の項参照]

機序・危険因子

本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。

2. 薬剤名等

CYP3A誘導剤
 フェニトイン
 カルバマゼピン
 リファンピシン
 バルビツール酸系薬物
 セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等

臨床症状・措置方法

CYP3A誘導剤との併用により、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。[ 【薬物動態】 の項参照]

機序・危険因子

本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、左記薬剤のようなCYP3A誘導剤との併用で、本剤の代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。

3. 薬剤名等

OCT2の基質となる薬剤
 メトホルミン等

臨床症状・措置方法

OCT2基質との併用により、OCT2基質の血漿中濃度が上昇するおそれがある。[ 【薬物動態】 の項参照]

機序・危険因子

本剤はOCT2の阻害剤であるため、OCT2基質との併用によりOCT2基質の血漿中濃度が増加する可能性がある。

4. 薬剤名等

P-糖蛋白の基質となる薬剤
 ジゴキシン
 アリスキレン
 フェキソフェナジン
 サキサグリプチン
 シタグリプチン等

臨床症状・措置方法

P-糖蛋白基質との併用により、P-糖蛋白基質の血漿中濃度が上昇するおそれがある。[ 【薬物動態】 の項参照]

機序・危険因子

本剤はP-糖蛋白の阻害剤であることから、本剤とP-糖蛋白基質との併用によりP-糖蛋白基質の血漿中濃度が増加する可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要

根治切除不能な甲状腺髄様癌患者を対象とした国内第I/II相試験において、本剤が投与された14例全例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、皮膚症状(発疹、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚炎、そう痒症等)10例(71.4%)、下痢10例(71.4%)、高血圧9例(64.3%)、角膜混濁6例(42.9%)、疲労6例(42.9%)等であった。(承認時)
根治切除不能な甲状腺髄様癌患者を対象とした海外第III相試験において、本剤が投与された231例中222例(96.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、皮膚症状(発疹、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚炎、そう痒症等)191例(82.7%)、下痢108例(46.8%)、高血圧61例(26.4%)、悪心54例(23.4%)、疲労43例(18.6%)等であった。(承認時)
副作用の頻度については、根治切除不能な甲状腺髄様癌患者を対象とした国内第I/II相試験及び海外第III相試験の本剤群の集計に基づき記載した。また、当該試験で認められていない副作用については頻度不明とした。


重大な副作用

1. 間質性肺疾患(1%未満)
間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群等)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

2. QT間隔延長(10%以上)、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)(頻度不明)
QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

3. 心障害(1~10%未満)
頻脈性不整脈(心房細動、頻脈等)、心不全等の心障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

4. 重度の下痢(1~10%未満)
重度の下痢があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、脱水、電解質異常等の異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。

5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

6. 重度の皮膚障害(10%以上)
光線過敏反応、発疹、皮膚潰瘍等の重度の皮膚障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

7. 高血圧
高血圧(10%以上)、血圧上昇(1~10%未満)、高血圧クリーゼ(1~10%未満)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、コントロールできない高血圧があらわれた場合には本剤の休薬を行うこと。また、高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

8. 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明)
可逆性後白質脳症症候群があらわれることがあるので、痙攣、頭痛、視覚障害、錯乱、皮質盲等が認められた場合には投与を中止し、血圧のコントロール等の適切な処置を行うこと。

9. 腎障害
腎不全(1%未満)、蛋白尿(1~10%未満)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。

10. 低カルシウム血症(1~10%未満)
低カルシウム血症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、必要に応じて本剤の休薬、減量又は中止を考慮すること。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

11. 肝障害
ALT増加(1~10%未満)、AST増加(1~10%未満)、血中ビリルビン増加(頻度不明)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。[「 2.重要な基本的注意 」の項参照]

12. 出血
鼻出血(1~10%未満)、血尿(1%未満)、くも膜下出血(頻度不明)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。

13. 消化管穿孔
小腸穿孔(1%未満)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。



その他の副作用

1. 皮膚
10%以上
皮膚症状(発疹、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚炎、そう痒症等)

2. 皮膚
1~10%未満
手掌・足底発赤知覚不全症候群、脱毛症、爪の障害

3. 皮膚
1%未満
長睫毛症、擦過傷、メラノサイト性母斑、毛髪成長異常、毛質異常、多汗症、寝汗

4. 消化器
10%以上
下痢、悪心、食欲減退

5. 消化器
1~10%未満
消化不良、嘔吐、腹痛、便秘、嚥下障害、口内炎、口内乾燥

6. 消化器
1%未満
膵炎、腹部膨満、唾液欠乏、放屁、胃腸音異常

7. 呼吸器
1~10%未満
咳嗽、呼吸困難、発声障害

8. 呼吸器
1%未満
鼻乾燥

9. 筋・骨格系
1~10%未満
無力症、関節炎、筋骨格系胸痛、筋痙縮

10. 筋・骨格系
1%未満
筋力低下

11. 血液
1~10%未満
ヘモグロビン増加、リンパ球減少症

12. 血液
1%未満
貧血

13. 内分泌
1~10%未満
甲状腺機能低下症

14. 精神神経系
1~10%未満
頭痛、睡眠障害(不眠症、嗜眠等)、うつ病、味覚異常、聴力低下、ニューロパチー、めまい、錯感覚、振戦、神経過敏、注意力障害、不安、性欲減退

15. 精神神経系
1%未満
口の感覚鈍麻、知覚過敏、感覚鈍麻

16. 眼
10%以上
角膜混濁

17. 眼
1~10%未満
結膜炎、眼乾燥、視力障害、霧視

18. 眼
1%未満
眼の障害、眼瞼浮腫、緑内障、羞明、光視症、マイボーム腺機能不全

19. その他
10%以上
疲労

20. その他
1~10%未満
体重減少、脱水、体重増加、疼痛、ほてり、潮紅、全身健康状態低下、低カリウム血症、低マグネシウム血症、尿意切迫、発熱、浮腫

21. その他
1%未満
虚血性脳血管障害、狭心症、治癒不良、粘膜の炎症、低ナトリウム血症、意識消失、頻尿、末梢冷感


高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。


妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠可能な女性に対しては、適切な避妊を行うよう指導すること。[動物実験(ラット)で胎児死亡、胎児発育遅延、心血管系の奇形等が報告されている。]

2. 授乳中の婦人に投与することは避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]


小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]


過量投与

海外臨床試験において、300mgを超える用量を反復投与した際に、発疹、下痢、高血圧等の副作用の頻度及び重篤度が高くなったとの報告がある。
過量投与が疑われた場合には、特にQT間隔延長及びTorsade de pointesが起こるおそれがあるため、本剤の投与を中止するとともに速やかに心電図検査を行うなど観察を十分に行い、症状に応じ適切な処置を行うこと。


適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]


その他の注意

ラット反復投与毒性試験において、ヒトにおける曝露量よりも低い曝露量で、肺、肝臓、腎臓、脾臓等にリン脂質症に関連する所見(ミエリンの渦状形成による細胞質の空胞化)が認められた。


薬物動態

1. 血漿中濃度
1. 単回及び反復投与 1)
日本人固形癌患者において本剤を100、200、300及び400mgの用量で単回経口投与したとき、最高血漿中濃度は投与4~6時間後に認められ、その後、血漿中濃度は2相性の消失を示した。C max 及びAUC 0-∞ は100~400mgの用量範囲で、ほぼ用量に比例して増加した。

日本人固形癌患者に本剤を100、200、300及び400mgの用量で単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)参照



日本人固形癌患者において本剤を100、200、300及び400mgの用量で1日1回28日間反復経口投与したとき、血漿バンデタニブ濃度は投与開始後28日以降に定常状態に到達すると考えられた。

日本人固形癌患者に本剤を100、200、300及び400mgの用量で1日1回28日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)参照

2. 食事の影響 (外国人における成績) 2)
健康被験者(n=16)を対象に、本剤を300mgの用量で食後に投与したとき、本剤のAUCには食事による影響は認められなかった。本剤のC max には、空腹時投与に比べ、食後投与で僅かな(11%)減少が認められた。

2. 分布
In vitro 試験において、本薬はヒト血清アルブミン及びヒトα 1 -酸性糖蛋白に結合し、蛋白結合率は約90%である 3)

3. 代謝 in vitro 試験及び外国人における成績)
健康男性被験者に 14 C標識バンデタニブを単回経口投与したとき、血漿、尿及び糞中に、バンデタニブの N -オキシド体及び N -脱メチル体が検出された。尿及び糞中には少量のグルクロン酸抱合体も認められた 2) In vitro 試験において、 N -脱メチル体は主にCYP3A4により生成し 4) N -オキシド体はフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO1及びFMO3)により生成した 5)

4. 排泄 (外国人における成績) 2)
健康男性被験者に 14 C標識バンデタニブを単回経口投与したとき、投与後21日までの総放射能排泄率は約69%であった。糞及び尿中にはそれぞれ投与した放射能の約44%及び25%が排泄された。

5. 特殊集団における薬物動態
1. 腎機能障害者における薬物動態 (外国人における成績) 6)
クレアチニンクリアランス(CrCL)に基づく軽度(CrCL:50mL/min以上80mL/min以下)、中等度(CrCL:30mL/min以上50mL/min未満)及び重度(CrCL:30mL/min未満)の腎機能障害者、並びに健康被験者(CrCL:80mL/min超)を対象に、本剤800mg 注) を単回経口投与した。軽度、中等度及び重度腎機能障害者では、腎機能が正常な健康被験者に比べ、バンデタニブのAUCはそれぞれ43%(軽度)、58%(中等度)及び74%(重度)高値を示した。一方、バンデタニブのC max は軽度、中等度及び重度腎機能障害者では、腎機能が正常な健康被験者に比べ、それぞれ7%(軽度)、9%(中等度)及び11%(重度)高値を示したが、明らかな差異は認められなかった。

2. 肝機能障害者における薬物動態 (外国人における成績) 7)
軽度(Child-Pugh分類A)、中等度(Child-Pugh分類B)及び重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害者、並びに健康被験者を対象に、本剤を800mg 注) の用量で単回経口投与した。バンデタニブのAUCには、健康被験者といずれの肝機能障害者との間で差は認められなかった。一方、バンデタニブのC max には、健康被験者と軽度あるいは中等度肝機能障害者の間に差は認められなかったものの、健康被験者に比べ、重度肝機能障害者ではC max は29%低かった。

6. 薬物相互作用
1. リファンピシン(CYP3A誘導剤)との併用による影響(外国人における成績) 8)
健康被験者16例を対象に、バンデタニブ300mg及びリファンピシン600mg/日を併用投与したとき、バンデタニブ単独投与に比べ、バンデタニブのAUCは40%減少した。バンデタニブのC max には、リファンピシン併用による影響は認められなかった。

2. メトホルミン(OCT2基質)との併用による影響(外国人における成績) 9)
健康被験者14例を対象に、メトホルミン1000mg及びバンデタニブ800mg 注) を併用投与したとき、メトホルミン単独投与に比べ、メトホルミンのAUC及びC max はそれぞれ74%及び50%増加し、メトホルミンの腎クリアランスは52%減少した。

3. ジゴキシン(P-糖蛋白基質)との併用による影響(外国人における成績) 9)
健康被験者14例を対象に、ジゴキシン0.25mg及びバンデタニブ300mgを併用投与したとき、ジゴキシン単独投与に比べ、ジゴキシンのAUC及びC max はそれぞれ23%及び29%増加した。

4. イトラコナゾール(CYP3A阻害剤)との併用による影響(外国人における成績) 8)
健康被験者15例を対象に、バンデタニブ300mg及びイトラコナゾール200mg/日を併用投与したとき、バンデタニブ単独投与時に比べ、バンデタニブのAUCは9%増加した。バンデタニブのC max には、イトラコナゾール併用による影響は認められなかった。

5. ミダゾラム(CYP3A基質)との併用による影響(外国人における成績) 9)
健康被験者17例を対象に、バンデタニブ800mg 注) 及びミダゾラム7.5mgを併用投与したとき、バンデタニブはミダゾラムの曝露量に影響を及ぼさなかった。

6. CYP1A2及び2C9に対するバンデタニブの誘導作用 10)
In vitro 試験において、CYP1A2及び2C9に対するバンデタニブの誘導作用を評価した結果、バンデタニブはCYP1A2及び2C9を誘導することが示された。

7. 乳癌耐性タンパク(BCRP)に対するバンデタニブの阻害作用 11)
In vitro 試験において、バンデタニブはBCRPを若干阻害する(IC 50 値:11.9μg/mL)ことが示された。

7. QTc間隔に及ぼす影響 (外国人における成績) 12)
健康被験者24例を対象に、バンデタニブ(700mg 注) )を単独投与したときQTc間隔の延長(11.4ms)が認められた。また、バンデタニブと5HT 3 拮抗薬であるオンダンセトロン(32mg)を併用投与したとき、バンデタニブ単独投与に比べてさらにQTc間隔が延長(10.8ms)することが示された。

注)本剤の承認用量は300mg/日である。


薬物動態の表

日本人固形癌患者に本剤を100、200、300及び400mgの用量で単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)


用量 注1) (mg/日) 症例数 C max (ng/mL) t max 注2) (h) AUC 0-∞ (μg・h/mL) t 1/2 (h)
100 3 103±42.0 6 10.1±3.53 115±46.0
200 6 186±91.6 4 16.8±6.94 101±14.1
300 6 392±198 5 29.4±11.8 90.2±13.7
400 3 447±240 6 32.1±4.66 114±44.7
注1) 本剤の承認用量は300mg/日である。

注2) 中央値


日本人固形癌患者に本剤を100、200、300及び400mgの用量で1日1回28日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)


用量 注1) (mg/日) 症例数 C max (ng/mL) t max 注2) (h) AUC 0-24 (μg・h/mL) 累積係数 注3)
100 3 1200±583 4 20.5±5.00 14.2±1.8
200 4 922±259 6 18.3±5.71 6.2±1.9
300 3 1580±302 6 29.9±4.60 5.3±1.2
400 1 2050 4 44.6 6.5
注1) 本剤の承認用量は300mg/日である。

注2) 中央値

注3) 累積係数=28日目のAUC 0-24 /1日目のAUC 0-24


臨床成績

1. 国内第I/II相試験 13)
根治切除不能な甲状腺髄様癌患者(14例)を対象として、本剤300mg/日 の安全性及び忍容性を検討する非盲検第I/II相試験を実施した。有効性解析対象集団(13例)における客観的奏効率は38.5%(5/13例)であった。
※中等度腎機能障害患者では200mg/日

2. 海外第III相試験 14)
根治切除不能な甲状腺髄様癌患者(本剤群231例、プラセボ群100例)を対象として、本剤300mg/日の有効性及び安全性をプラセボと比較する二重盲検無作為化比較第III相試験を実施した。主要評価項目である画像中央判定に基づく無増悪生存期間の最終解析結果(中央値[95%信頼区間])は、本剤群でNE [24.9~NE]カ月、プラセボ群で19.3[15.1~NE]カ月であり、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.46、95%信頼区間0.31~0.69、p=0.0001[ログランク検定]、2009年7月31日データカットオフ)。
※NE:Not Estimable(推定不可)




薬効薬理

1. 抗腫瘍効果
1. In vitro
バンデタニブは、 RET 遺伝子変異を有するヒト甲状腺髄様癌由来TT及びMZ-CRC-1細胞株(それぞれC634W及びM918T変異)の増殖を抑制した 15)

2. In vivo
バンデタニブは、TT細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて腫瘍増殖を抑制した 15)

2. 作用機序
・バンデタニブは、ヒト甲状腺髄様癌由来細胞株のVEGFR-2、EGFR、RET等のチロシンキナーゼのリン酸化を阻害することにより、細胞増殖を抑制した 15)

・バンデタニブは、ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)のVEGFR-2及びEGFRのチロシンキナーゼのリン酸化を阻害し、VEGF又はEGF刺激によるHUVECの増殖を抑制した 16,17)

・ヒト肺癌由来Calu-6細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、バンデタニブによる腫瘍組織内の血管内皮細胞減少及び腫瘍細胞壊死の増加が認められた。ヒト肺癌由来A549細胞株を皮内移植したヌードマウスにおいて、バンデタニブによる腫瘍血管新生阻害が認められた 17)


有効成分に関する理化学的知見

一般名
バンデタニブ(Vandetanib)(JAN)

化学名
N -(4-bromo-2-fluorophenyl)-6-methoxy-7-[(1-methylpiperidin-4-yl)methoxy]quinazolin-4-amine

分子式
C 22 H 24 BrFN 4 O 2

分子量
475.35

構造式


性 状
本品は白色の粉末である。


承認条件

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

2. 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。


包装

カプレルサ錠100mg:[PTP]50錠(10錠×5)


主要文献及び文献請求先

主要文献

1. Tamura, T., et al.:J. Thorac. Oncol., 1(9), 1002, 2006[CL_0001]

2. Martin, P., et al.:Clin. Ther., 34(1), 221, 2012[CL_0002]

3. 社内資料:血漿蛋白結合率、2000[CL-01]

4. 社内資料:チトクロームP450による代謝、2004[CL-02]

5. 社内資料:フラビン含有モノオキシゲナーゼによる代謝、2004[CL-03]

6. 社内資料:腎機能障害者における薬物動態試験、2009[CL-04]

7. 社内資料:肝機能障害者における薬物動態試験、2009[CL-05]

8. Martin, P., et al.:Drugs R D, 11(1), 37, 2011[CL_0003]

9. Johansson, S., et al.:Clin. Pharmacokinet., 53, 837, 2014[CL_0004]

10. 社内資料:チトクロームP450に及ぼす本薬の酵素誘導作用、2007[CL-06]

11. 社内資料:各種トランスポーターに及ぼす本薬の阻害作用、2008[CL-07]

12. 社内資料:本薬及びオンダンセトロンによる心筋の再分極に対する薬力学的作用、2004[CL-08]

13. 社内資料:甲状腺髄様癌患者を対象とした国内第I/II相臨床試験[CL-09]

14. Wells, S.A., et al.:J. Clin. Oncol., 30(2), 134,2012[CL_0005]

15. Vitagliano, D., et al.:Endocrine-Related Cancer, 18, 1, 2011[CL_0006]

16. Brave, S.R., et al.:Int. J. Oncol., 39, 271, 2011[CL_0007]

17. Wedge, S.R., et al.:Cancer Res., 62, 4645, 2002[CL_0008]


文献請求先

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