エルカルチンFF錠250mg

添付文書番号

3999033F1026_1_05

企業コード

180078

作成又は改訂年月

2021年 7月改訂 ( 第2版 )
2020年 11月改訂 ( 第1版 )

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

レボカルニチン製剤

承認等

エルカルチンFF錠250mg

販売名コード

YJコード

3999033F2022

販売名英語表記

L-Cartin FF tablets 250mg

販売名ひらがな

えるかるちんえふえふじょう250mg

承認番号等

承認番号

22600AMX00718

販売開始年月

2014年 12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36箇月

一般的名称

レボカルニチン錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

*3. 組成・性状

3.1 組成

エルカルチンFF錠250mg

有効成分 1錠中
レボカルニチン   250mg
添加剤 *ケイ酸カルシウム、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、タルク、酸化チタン、グリセリン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム

3.2 製剤の性状

エルカルチンFF錠250mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 白色
外形 表面 *
裏面 *
側面 *
大きさ 直径 *10.5mm
厚さ *5.4mm
質量 *約437mg

4. 効能又は効果

カルニチン欠乏症

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤は、臨床症状・検査所見からカルニチン欠乏症と診断された場合あるいはカルニチン欠乏症が発症する可能性が極めて高い状態である場合にのみ投与すること。
  2. 5.2 本剤の投与に際しては、原則として、カルニチンの欠乏状態の検査に加え、カルニチン欠乏の原因となる原疾患を特定すること。

6. 用法及び用量

通常、成人には、レボカルニチンとして、1日1.5~3gを3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
通常、小児には、レボカルニチンとして、1日体重1kgあたり25~100mgを3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤の投与に際しては、低用量から投与を開始し、臨床症状の改善の程度と副作用の発現の程度及び定期的な臨床検査、バイタルサイン、カルニチンの欠乏状態等から投与量を総合的に判断すること。また、増量する場合には慎重に判断し、漫然と投与を継続しないこと。[8. 参照]
  2. 7.2 血液透析患者への本剤の投与に際しては、高用量を長期間投与することは避けること。また、血液透析日には透析終了後に投与すること。[9.2.2 参照]
  3. 7.3 小児への投与に際しては、原則として、成人用量を超えないことが望ましい。

8. 重要な基本的注意

本剤投与中は、定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましい。[7.1 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者又は透析下の末期腎疾患患者

    低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないこと。本剤の高用量の長期投与により、トリメチルアミン等の有害な代謝物が蓄積するおそれがある。重篤な腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.2.2 血液透析患者

    本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。[7.2 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)

9.8 高齢者

患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

糖尿病用薬

  • 経口糖尿病治療薬
    インスリン製剤等

低血糖症状があらわれるおそれがある。

機序は不明である。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

1%未満注)

頻度不明

消化器

食欲不振、下痢、軟便、腹部膨満感

悪心・嘔吐、腹痛

過敏症

発疹、そう痒感

その他

顔面浮腫、血尿、貧血

体臭

注)エルカルチン錠(レボカルニチン塩化物錠)の使用成績調査における発現頻度

14. 適用上の注意

*14.1 *薬剤調製時の注意

本剤は一包化調剤を避けること。[20. 参照]

14.2 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  • 健康成人にレボカルニチン1,000mg(本剤又は内用液)を空腹時単回経口投与した時の血漿中遊離カルニチンの濃度の推移を図16-1に示す。また、遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-1に示す。
    本剤及び内用液のいずれにおいても、遊離カルニチンの血漿中濃度は、投与後5時間にピークに達し、以降緩徐に減少した。本剤1,000mg(250mg×4錠)と内用液1,000mg(10%10mL)は生物学的に同等であることが確認された(図16-1、表16-1)2)
  • 図16-1 健康成人におけるレボカルニチン単回投与時の血漿中遊離カルニチン濃度推移(平均値±標準偏差)
  • 表16-1 レボカルニチン単回投与時の薬物動態パラメータ(遊離カルニチン、総カルニチン、アシルカルニチン)

    投与量

    Cmax
    (μmol/L)

    AUCt
    (μmol・h/L)

    tmax
    (h)

    t1/2
    (h)

    遊離カルニチン

    本剤
    (1,000mg)

    21.22
    (5.80)

    236.29
    (81.48)

    5.000
    (2.00-8.00)

    10.80
    (4.84)

    内用液
    (1,000mg)

    22.22
    (5.98)

    249.49
    (88.06)

    5.000
    (2.00-8.00)

    11.50
    (5.34)

    総カルニチン

    本剤
    (1,000mg)

    27.20
    (6.90)

    294.02
    (80.50)

    4.000
    (2.00-6.00)

    11.60
    (5.81)

    内用液
    (1,000mg)

    28.55
    (6.22)

    302.69
    (81.48)

    5.000
    (2.00-8.00)

    11.37
    (3.78)

    アシルカルニチン

    本剤
    (1,000mg)

    7.57
    (2.43)

    60.99
    (25.58)

    5.000
    (3.00-10.00)

    42.46
    (95.38)

    内用液
    (1,000mg)

    7.66
    (2.09)

    56.78
    (22.01)

    4.000
    (2.00-24.00)

    16.31
    (23.39)

    平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値)
    23例
    血漿中濃度は、投与前の血漿中カルニチン濃度(内因性カルニチン濃度)を差し引いた値

16.5 排泄

  1. 16.5.1 尿中排泄率

    健康成人に、エルカルチンFF内用液(レボカルニチン内用液)30、60及び90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の24時間までのベースラインで補正した遊離カルニチンの累積尿中排泄率(fe,24h)は、それぞれ6.92%、5.92%及び5.59%と用量の増加に伴い低下した3)

  2. 16.5.2 トランスポーター

    レボカルニチンは、有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)の基質である4)

17. 臨床成績

17.3 その他

  1. 17.3.1 一次性カルニチン欠乏症

    一次性(全身性)カルニチン欠乏症患者1例にレボカルニチン1回1g1日3回経口投与したところ、筋萎縮の減少、筋力の改善が認められた5) (公表論文の成績、外国人データ)。

  2. 17.3.2 先天代謝異常症に伴う二次性カルニチン欠乏症
    1. (1) カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)欠損症患児1例にレボカルニチン200mgを1日2回(30mg/kg/日)経口投与したところ、低血糖症や重度のアンモニア血症等の症状は発現せず、正常な発育がみられた6) (公表論文の成績、外国人データ)。
    2. (2) プロピオン酸血症患児2例にレボカルニチン25mg/kg/日、メチルマロン酸血症患児1例にレボカルニチン100mg/kg/日を単回経口投与したところ、血漿中遊離カルニチン、短鎖・長鎖アシルカルニチン濃度が上昇した。また尿中遊離カルニチン及びアシルカルニチン濃度が上昇した7) (公表論文の成績、外国人データ)。
    3. (3) イソ吉草酸血症患児1例にレボカルニチン60~100mg/kg/日を投与したところ、血漿中総カルニチン、遊離カルニチンはほぼ基準値まで上昇し、治療期間中持続した。投与開始後30ヵ月時には運動発達もほぼ正常となり、成長及び発達は正常な状態に回復した8) (公表論文の成績、外国人データ)。
  3. 17.3.3 透析患者での二次性カルニチン欠乏症

    透析患者での二次性カルニチン欠乏症患者6例において、レボカルニチン2g/日 経口投与により、筋力の回復、筋痛、筋痙攣等の臨床症状の改善が認められた9) (公表論文の成績、外国人データ)。

  4. 17.3.4 薬剤性の二次性カルニチン欠乏症

    バルプロ酸投与による二次性カルニチン欠乏症患者11例において、レボカルニチン50mg/kg/日 経口投与により、高蛋白摂取時の血漿中アンモニア濃度の上昇抑制が認められた10) (公表論文の成績、外国人データ)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

レボカルニチンの投与により組織内における慢性的なカルニチン欠乏状態を是正し、組織内で過剰に蓄積した有害なプロピオニル基をプロピオニルカルニチンとして体外(尿中)へ排泄させる。また、有害なプロピオニル基からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活する11)

18.2 ミトコンドリア呼吸能に対する作用

ラット肝ミトコンドリアを用いて、レボカルニチン塩化物(l-体)を光学異性体であるd-カルニチン塩化物及びdl-カルニチン塩化物と比較検討した。その結果、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示した11) in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

レボカルニチン〔Levocarnitine(JAN)〕

化学名

(R)-3-Hydroxy-4-trimethylammoniobutanoate

分子式

C7H15NO3

分子量

161.20

性状

白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。吸湿性である。水溶液(1→20)のpHは6.5~8.5である。

化学構造式

融点

約200℃(分解)

*20. 取扱い上の注意

*アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。[14.1 参照]

22. 包装

  • 〈エルカルチンFF錠100mg〉

    PTP:100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

  • 〈エルカルチンFF錠250mg〉

    PTP:100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

大塚製薬株式会社 医薬情報センター

〒108-8242 東京都港区港南2-16-4

品川グランドセントラルタワー
電話 0120-189-840
FAX 03-6717-1414

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

大塚製薬株式会社

東京都千代田区神田司町2-9