* | 2022年 4月改訂 ( 第2版 ) |
2021年 1月作成 ( 第1版 ) |
処方箋医薬品 注2)
注2) 注意―医師等の処方箋により使用すること成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)
本剤の適用は、成人成長ホルモン分泌不全症と診断された患者のうち、重症の基準に該当する患者に限定すること。診断及び重症の基準は、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き」の病型分類を参照すること。
通常、ソマプシタン(遺伝子組換え)として1.5mgを開始用量とし、週1回、皮下注射する。なお、開始用量は患者の状態に応じて適宜増減する。その後は、患者の臨床症状及び血清インスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度等の検査所見に応じて適宜増減するが、最高用量は8.0mgとする。
*糖尿病患者では、投与開始前に血糖(血糖値、HbA1c等)及び糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)の病勢をコントロールしておくこと。投与開始後は定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、また、糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)を含め、患者の状態を注意深く観察すること。必要に応じて、糖尿病用薬の投与量の調整を行うこと。投与開始後に糖尿病の症状の顕在化又は悪化が認められた場合は、本剤の投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。
耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者(肥満、家族歴に糖尿病を持つ患者等)では、慎重に観察すること。糖尿病が顕在化することがある。[8.1 参照][10.2 参照][11.1.2 参照]
定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現や再発の有無を注意深く観察すること。成長ホルモンは、細胞増殖作用を有し、国内及び海外臨床試験において成長ホルモン投与後に脳腫瘍の再発が報告されている。
ときに一過性の浮腫があらわれることがある。
低用量での治療が望ましい。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。重度(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されている。[16.6.1 参照]
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている。
通常用量(1.5mg)より低用量から投与を開始する等、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、中等度の肝機能障害患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されている。[7.1 参照][16.6.2 参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
ラットでは本剤の最大臨床用量における推定曝露量の5倍で胎児の重量高値(5%)、260倍で長骨の短小、長骨及び肋骨の肥厚及び彎曲が認められている。[2.3 参照]
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ラットにおいて、最大で血漿中濃度の50%のソマプシタン関連物質が母乳中に認められたが、出生児動物における血漿中本薬濃度は定量下限未満であり、母動物における血漿中濃度の1/250 以下であった。ヒトでの乳汁移行に関するデータ及びヒトの哺乳中の児への影響に関するデータはない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。また、成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている。[7.1 参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
主にCYP3Aで代謝される薬剤 *性ホルモン製剤 *抗てんかん薬 *シクロスポリン 等 |
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、これらの薬剤の用量に注意すること。 |
成長ホルモンがCYP3Aにより代謝される化合物のクリアランスを増加させる可能性があるため。 |
糖質コルチコイド |
血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること。 |
成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため。 |
成長ホルモンの作用が抑制されることがあるので、本剤の増量を検討すること。 |
エストロゲンがIGF-I産生を抑制するため。 |
|
*糖尿病用薬 *インスリン製剤 *ビグアナイド系薬剤 *スルホニルウレア剤 *速効型インスリン分泌促進薬 *α-グルコシダーゼ阻害剤 *チアゾリジン系薬剤 *DPP-4阻害剤 *GLP-1受容体作動薬 *SGLT2阻害剤 等 |
*本剤投与により、血糖値が上昇することがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと。 |
*成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため。 |
甲状腺ホルモン |
本剤投与により甲状腺機能低下が顕在化又は悪化することがあるので、甲状腺ホルモンの用量に注意すること。 |
成長ホルモンの投与により、中枢性(二次性)甲状腺機能低下症があらわれることがあるため。 |
耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがある。[8.1 参照][9.1.1 参照]
1%以上 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
---|---|---|---|
内分泌障害 |
副腎皮質機能不全 |
||
代謝及び栄養障害 |
高リン酸塩血症 |
高血糖 |
|
神経系障害 |
頭痛、浮動性めまい、感覚鈍麻 |
錯感覚 |
手根管症候群 |
胃腸障害 |
下痢 |
||
皮膚及び皮下組織障害 |
脂肪肥大症 |
||
筋骨格系及び結合組織障害 |
関節痛 |
||
全身障害及び投与部位状態 |
疲労、末梢性浮腫 |
無力症、注射部位反応 |
|
臨床検査 |
体重増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加 |
グリコヘモグロビン増加 |
(1) 本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。
(2) 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
(3)1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
(4) カートリッジにひびが入っている場合又は使用中に液が変色した場合は使用しないこと。
(5) 投与量が1回に設定できる量を超える場合は、複数回に分けて投与を行うこと。1回の最大設定量は、ソグルーヤ皮下注5mgでは2mg、ソグルーヤ皮下注10mgでは4mgである。
大腿部、腹部等に皮下注射すること。注射箇所は毎回変更し、同一部位に短期間に繰り返し注射しないこと。
(1) 他の医薬品と混合しないこと。
(2) 注射後には、注射針は廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。
日本人健康成人男性被験者24例に本薬0.02、0.08、0.16及び0.24mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与1週目及び4週目における薬物動態パラメータ及び投与4週目の平均血清中濃度-時間推移を以下に示す。投与4週目におけるAUC0-168hの累積率(平均値)は1.3~2.9であった1) 。
用量 |
平均投与量 |
評価時点 |
AUC0-168h |
Cmax |
tmax |
t1/2 |
0.02 |
1.26 |
投与 |
352(57.7) |
6.3 |
5.0 |
50 |
投与 |
445(45.2) |
11.5 |
8.0 |
83 |
||
0.08 |
5.15 |
投与 |
1755(66.7) |
54.7 |
9.0 |
73 |
投与 |
2862(61.2) |
102.7 |
14.0 |
65 |
||
0.16 |
9.94 |
投与 |
7165(72.0) |
174.6 |
12.0 |
69 |
投与 |
16238(33.9) |
439.0 |
16.0 |
60 |
||
0.24 |
15.63 |
投与 |
13742(50.4) |
406.6 |
16.0 |
73 |
投与 |
18087(63.5) |
390.0 |
16.0 |
55 |
||
本剤の承認最高用量は8.0mgである。
注1)
5例
|
---|
AGHD患者22例に本薬0.02、0.04、0.08及び0.12mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与4週目における薬物動態パラメータを以下に示す。本薬の曝露量は、本薬投与後1~2週間で定常状態に達したと考えられた。投与4週目におけるAUC0-168hの累積率(平均値)は1.0~2.0であった。また、AGHD患者8例 注2) にノルディトロピン(平均用量:0.004mg/kg)を1日1回反復皮下投与したときの投与22日目におけるAUC0-24h(幾何平均値)は17ng・h/mL、Cmax(幾何平均値)は1.5ng/mL、tmax(中央値)は2.8時間、終末相における半減期(幾何平均値)は6.8時間であった(外国人データ)2) 。
用量 |
平均投与量 |
AUC0-168h |
Cmax |
tmax |
t1/2 |
0.02 |
1.69 |
666(70.9) |
14.4(193.2) |
6.0(2.0;30.0) |
49(37.4) |
0.04 |
3.52 |
986(93.3) |
20.6(201.2) |
4.0(1.0;12.0) |
76(39.7) |
0.08 |
6.23 |
2085(102.2) |
45.4(127.6) |
8.0(2.0;36.0) |
52(30.2) |
0.12 |
9.63 |
5431(61.7) |
114.8(113.3) |
11.9(4.0;35.8) |
52(19.3) |
本剤の承認最高用量は8.0mgである。 |
---|
本薬の血漿タンパクに対するin vitro結合率は99%超であった。
AGHD患者330例から得られた血清中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、分布容積(V/F)は14.6 Lと推定された3)
。
健康成人男性被験者7例に放射能標識した本薬を単回皮下投与したとき、本薬は排泄前に広範に代謝され、尿及び糞中に未変化体は確認されず、代謝物が尿中に81%、糞中に13%確認された(外国人データ)4) 。
腎機能障害の程度の異なる被験者〔糸球体濾過量(GFR)の測定値に基づいて分類〕における本薬0.08mg/kgを週1回反復皮下投与したときの定常状態(投与3回目)での薬物動態を、腎機能が正常な被験者(GFR 90mL/min以上)と比較検討した結果を以下に示す。また、腎機能が正常な被験者に対するIGF-IのAUC0-168hの比の推定値は、それぞれ1.14(軽度)、1.35(中等度)、1.40(重度)及び1.24(血液透析を必要とする被験者)であった(外国人データ)5) 。[9.2 参照]
腎機能 |
AUC0-168h |
Cmax |
比の推定値 |
比の推定値 |
|
軽度(GFR 60~90mL/min未満)/正常 |
1.25[0.74;2.11] |
1.31[0.71;2.39] |
中等度(GFR 30~60mL/min未満)/正常 |
1.27[0.77;2.07] |
1.40[0.79;2.47] |
重度(GFR 30mL/min未満)/正常 |
1.75[1.00;3.06] |
1.47[0.77;2.81] |
血液透析を必要とする被験者/正常 |
1.63[1.01;2.61] |
1.34[0.77;2.32] |
被験者数:正常(13例)、軽度(8例)、中等度(8例)、重度(5例)、血液透析を必要とする被験者(8例) |
---|
肝機能障害の程度の異なる被験者(Child-Pugh scoresに基づいて分類)における本薬0.08mg/kgを週1回反復皮下投与したときの定常状態(投与3回目)での薬物動態を、肝機能が正常な被験者と比較検討した結果を以下に示す。また、肝機能が正常な被験者に対するIGF-IのAUC0-168hの比の推定値は、0.85(軽度)及び0.75(中等度)であった(外国人データ)6) 。[9.3 参照]
肝機能 |
AUC0-168h |
Cmax |
比の推定値 |
比の推定値 |
|
軽度 (Child-Pugh分類クラスA)/正常 |
1.08[0.66;1.75] |
0.95[0.52;1.74] |
中等度 (Child-Pugh分類クラスB)/正常 |
4.69[2.92;7.52] |
3.52[1.97;6.31] |
被験者数:正常(16例)、軽度(9例)、中等度(9例) |
---|
AGHD患者22例に本薬0.02、0.04、0.08及び0.12mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与4週目における薬力学パラメータを以下に示す。また、AGHD患者8例にノルディトロピン(平均用量:0.004mg/kg)を1日1回反復皮下投与したときの投与4週目におけるIGF-IのAUC0-168h(幾何平均値)は28502 ng・h/mL、IGF-IのCmax(幾何平均値)は191.4ng/mL、IGF-Iのtmax(中央値)は83.9時間であった(外国人データ)2) 。
用量 |
平均投与量 |
IGF-I AUC0-168h |
IGF-I Cmax |
IGF-I tmax |
0.02 |
1.69 |
25842(32.8) |
189.3(24.6) |
59.8(24.1;119.9) |
0.04 |
3.52 |
28839(32.1) |
203.4(29.1) |
47.9(12.4;167.9) |
0.08 |
6.23 |
39097(65.1) |
283.6(60.2) |
71.2(47.8;71.8) |
0.12 |
9.63 |
77808(34.4) |
559.3(39.0) |
83.7(47.8;95.9) |
本剤の承認最高用量は8.0mgである。 |
---|
ヒト成長ホルモン製剤で未治療の重症AGHD患者300例を対象として35週間(1週間の後観察期間を含む)のプラセボ対照(二重盲検)及び実薬対照(非盲検)試験を実施した〔本剤週1回投与群120例(日本人18例)、プラセボ週1回投与群61例(日本人10例)及びノルディトロピン1日1回投与群119例(日本人18例)〕。本剤及びノルディトロピンの開始用量は以下のとおりとした。投与開始後8週間は用量調整期間とされ、IGF-I SDスコアの目標値(-0.5超1.75以下)に従って、用量調整する日の前の投与(ノルディトロピンは用量調整する日の1週間前の投与)から3日後に測定したIGF-I値に基づき、本剤は0.1~8.0mg、ノルディトロピンは0.05~1.1mg(日本人は0.05~1.0mg)の範囲で2週毎に投与量が調整された。
グループ |
本剤 |
ノルディトロピン 注1) |
60歳以下の被験者 |
1.5mg/週 |
0.2mg/日 |
経口エストロゲンを投与している女性被験者(年齢によらない) |
2.0mg/週 |
0.3mg/日 |
60歳超の被験者 |
1.0mg/週 |
0.1mg/日 |
注1)
ノルディトロピンの承認用法・用量は、1週間に体重kgあたり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.021mg~0.084mgである。 プラセボ群の被験者に対する開始用量及び用量調整法は、本剤群の被験者と同一とした。
|
---|
項目 |
投与群 |
ベースライン 注2) |
投与後34週 注2) |
ベースラインからの変化量 注2) |
群差の推定値 |
躯幹部 |
本剤群 |
39.11±8.81 |
37.80±9.04 |
-1.17±2.89 |
-1.53 |
プラセボ群 |
36.90±8.98 |
37.86±8.94 |
0.49±3.31 |
||
ノルディトロピン群 |
38.10±9.65 |
35.50±10.42 |
-2.39±4.48 |
― |
|
注2)
平均±標準偏差(被験者数)
注3)
本剤群‐プラセボ群。共分散分析(34週の全ての観測値)。34週の欠測値を多重補完法を用いて補完。
|
---|
投与後34週における体組成に関連するパラメータ及びIGF-I SDスコアは以下のとおりである7)
。
項目 |
評価時点 |
プラセボ群 |
本剤群 |
ノルディトロピン群 |
内臓脂肪 |
ベースライン |
105.81±61.84 |
138.31±78.02 |
125.35±69.80 |
投与34週時の |
4.41±13.81 |
-11.61±23.93 |
-9.68±21.37 |
|
総脂肪量 |
ベースライン |
24820.88±11364.09 |
27559.38±10803.67 |
27260.57±11967.97 |
投与34週時の |
305.47±2689.06 |
-85.47±3022.71 |
-855.71±3167.06 |
|
体肢骨格 |
ベースライン |
18956.27±5488.96 |
20303.95±6583.47 |
20353.44±7018.30 |
投与34週時の |
-76.22±1006.58 |
565.21±1011.18 |
482.76±1246.89 |
|
総除脂肪 |
ベースライン |
42530.26±11011.48 |
45477.71±13112.08 |
45658.60±14323.08 |
投与34週時の |
334.43±2048.01 |
1395.88±2139.32 |
1359.33±2359.11 |
|
IGF-I |
ベースライン |
-2.64±1.28 |
-2.54±1.26 |
-2.53±1.27 |
投与34週時の |
0.05±0.59 |
2.37±1.33 |
2.28±1.32 |
|
平均±標準偏差(被験者数) |
---|
本剤週1回投与群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。プラセボ週1回投与群の副作用の発現頻度は本剤週1回投与群及びノルディトロピン1日1回投与群と比較して低かった。本剤週1回投与群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(5.0%、6/120例)及び関節痛(3.3%、4/120例)であった8) 。
項目 |
評価時点 |
プラセボから |
本剤継続群 |
ノルディトロピンから |
ノルディトロピン継続群 |
躯幹部 |
ベースライン |
37.00±8.89 |
39.12±8.81 |
38.26±9.59 |
38.16±9.46 |
投与34週時の |
0.38±3.14 |
-1.18±2.87 |
-2.28±3.99 |
-2.53±4.76 |
|
投与87週時の |
-2.16±3.94 |
-1.63±3.65 |
-0.96±4.51 |
-2.63±4.65 |
|
IGF-I |
ベースライン |
-2.64±1.28 |
-2.54±1.26 |
-2.75±1.20 |
-2.33±1.28 |
投与34週時の |
0.05±0.59 |
2.36±1.34 |
2.32±1.23 |
2.45±1.26 |
|
投与87週時の |
2.36±1.55 |
2.29±1.39 |
2.35±1.54 |
2.07±1.12 |
|
平均±標準偏差(被験者数) |
---|
本剤週1回投与継続群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与継続群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。本剤週1回投与継続群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(5.0%、6/120例)、末梢性浮腫(4.2%、5/120例)及び関節痛(3.3%、4/120例)であった10)
。 [7.2 参照]
ヒト成長ホルモン製剤で治療中の日本人重症AGHD患者62例を対象として53週間(1週間の後観察期間を含む)の非盲検、実薬対照試験を実施した(本剤週1回投与群46例及びノルディトロピン1日1回投与群16例)。本剤及びノルディトロピンの開始用量は17.1.1国際共同第III相試験と同様である。投与開始後20週間は用量調整期間とされ、IGF-I SDスコアの目標値(0超2以下)に従って、用量調整する日の前の投与(ノルディトロピンは用量調整する日の1週間前の投与)から3日後に測定したIGF-I値に基づき、本剤は0.1~8.0mg、ノルディトロピンは0.05~1.0mgの範囲で4週毎に投与量が調整された。投与後52週における脂肪組織パラメータ(CTスキャンにより測定)及びIGF-I SDスコアは以下のとおりである11) 。
項目 |
評価時点 |
本剤群 |
ノルディトロピン群 |
TAT |
ベースライン |
347.987±220.256 |
276.488±111.225 |
投与52週 |
313.498±179.485 |
271.543±74.326 |
|
投与52週時の変化量 |
-7.091±58.893 |
7.450±32.177 |
|
SAT |
ベースライン |
238.750±167.025 |
185.919±79.368 |
投与52週 |
212.251±129.823 |
183.336±50.689 |
|
投与52週時の変化量 |
-5.033±40.735 |
6.779±22.900 |
|
VAT |
ベースライン |
109.237±77.229 |
90.569±38.988 |
投与52週 |
100.976±66.529 |
88.207±30.042 |
|
投与52週時の変化量 |
-2.618±29.123 |
0.671±15.284 |
|
IGF-I SDスコア |
ベースライン |
0.64±0.72 |
0.88±0.82 |
投与52週 |
0.61±0.68 |
0.52±0.57 |
|
投与52週時の変化量 |
-0.02±0.78 |
-0.30±1.03 |
|
平均±標準偏差(被験者数) |
---|
本剤週1回投与群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。本剤週1回投与群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、上咽頭炎(4.3%、2/46例)及び関節痛(4.3%、2/46例)であった12) 。[7.2 参照]
主に肝臓に働き、IGF-I分泌を促進する。また、脂肪、筋肉、骨組織の成長ホルモン受容体を介して標的細胞に直接作用し、脂肪組織を減少させ、筋肉や骨組織の成長を刺激する。内因性アルブミンとの結合により、本薬の排出が遅延し、in vivoでの消失半減期(t1/2)が延長するため、その作用が持続化する13) 。
成長ホルモン分泌不全症に対しては、体組成(体脂肪量の減少、除脂肪体重の増加)及び代謝作用を正常化する。また、成長ホルモン欠損下垂体摘出ラットに本薬を週1回投与した結果、体重の増加、血中IGF-I濃度の増加、除脂肪体重の増加、骨量及び骨容量の増加、体脂肪量の減少等が認められた14) 。
ソマプシタン(遺伝子組換え) (JAN)
Somapacitan (Genetical Recombination)(JAN)
C1038H1609N273O319S9
23,305.10
ソマプシタンは、遺伝子組換えヒト成長ホルモン類縁体であり、101番目のロイシン残基がシステイン残基に置換され、16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸及び4-カルボキシプロピルスルホンアミドが、1個のε-アミノ基がアシル化されたリシン、2個の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸及び2個のグルタミン酸から構成されるリンカーを介して101番目のシステイン残基に結合している。ソマプシタンは、191個のアミノ酸残基からなる修飾タンパク質である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
<5mg>
1.5mL[1本]
<10mg>
1.5mL[1本]
1) 社内資料:第I相臨床試験(NN8640-3915)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
2) 社内資料:第I相臨床試験(NN8640-3947)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
3) 社内資料:2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3.1.9
4) 社内資料:第I相臨床試験(NN8640-4237)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
5) 社内資料:第I相臨床試験(NN8640-4297)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
6) 社内資料:第I相臨床試験(NN8640-4298)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
7) 社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認CTD2.7.3.2及び2.7.3.3)
8) 社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認 CTD2.7.6.6)
9) 社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認 CTD2.7.3.5)
10) 社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認 CTD2.7.6.7)
11) 社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4244)(2021年1月22日承認CTD2.7.3.2及び2.7.3.3)
12) 社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4244)(2021年1月22日承認 CTD2.7.6.9)
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 ノボケア相談室
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1
Tel 0120-180363(フリーダイアル)
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日)に基づき、2022年11月末日までは最低限14日に1回、来院するよう患者及び家族に指導し、徹底させること。
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
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ソグルーヤR、SogroyaR及びノルディトロピンRはNovo Nordisk Health Care AGの登録商標です。ペンニードルRはNovo Nordisk A/Sの登録商標です。