2021年 12月改訂 ( 第1版 ) |
日本薬局方
プロカインアミド塩酸塩注射液
処方箋医薬品 注1)
注1) 注意―医師等の処方箋により使用すること本剤の投与に際しては、心電図を持続的に監視し、脈拍、血圧を頻回に測定すること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.8 参照]
投与量に十分注意するとともに、持続的に心電図検査を実施すること。心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。[2.2 参照],[8. 参照]
心不全をきたすおそれのある患者では、投与量に十分注意するとともに、持続的に心電図検査を実施すること。心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。[8. 参照]
投与量に十分注意するとともに、持続的に心電図検査を実施すること。有効性、安全性が確立していない。[8. 参照]
血圧下降が発現するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
一般的に血清カリウムの低下している状態では催不整脈作用が発現するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に移行することがある。
低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
投与量に十分注意するとともに、持続的に心電図検査を実施すること。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[8. 参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
QT延長、心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)を起こすおそれがある。 |
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
スニチニブリンゴ酸塩 |
QT延長、心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)を起こすおそれがある。 |
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。 |
アミオダロン塩酸塩(経口剤) |
本剤の抗不整脈作用等の心血管作用を増強させるおそれがある。 |
本剤の代謝を阻害し、又は本剤及び |
過度の心機能抑制作用があらわれることがある。 |
相互に心機能抑制作用を増強すると考えられている。 |
|
シメチジン |
本剤の抗不整脈作用等の心血管作用を増強させるおそれがある。 |
本剤及び活性代謝物(NAPA)の腎クリアランスを低下させ、排泄を遅延させると考えられている。 |
サルファ剤の抗菌力を減弱させる。 |
本剤は体内で代謝され、微生物の発育因子であるp-アミノ安息香酸を生じ、サルファ剤の抗菌作用と拮抗すると考えられている。 |
刺激伝導障害(著明なQRS幅の増大、QTの延長等)、心室細動、心室頻拍、心不全の悪化、血圧低下等を引き起こすことがある。
本剤の過量投与による兆候・症状がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、体外ペーシングや直流除細動を考慮するなど適切な対症療法を行うこと。
なお、本剤の血液透析による除去率は約30%と報告されている。[16.6.1 参照]
心室性期外収縮を頻発する患者に本剤500mgを単回静脈内投与した場合、血清中プロカインアミド(PA)は投与直後最高値となり、二相性で消失した1) 。
投与量 |
500mg |
t1/2α(hr) |
0.17±0.04 |
t1/2β(hr) |
2.2±0.54 |
Vd(L/kg) |
2.93±0.97 |
Cl(mL/min) |
684±124 |
(Two compartment model, mean±SD, n=6) |
---|
プロカインアミドは、肝臓で一部が活性代謝物N-アセチルプロカインアミド(NAPA)となる。この代謝速度は肝N-アセチルトランスフェレース活性(rapid or slow acetylator)に依存し、個人差がある4) 。
プロカインアミド及びN-アセチルプロカインアミドのいずれも主として腎臓より排泄される。
健康成人に3H-プロカインアミド500mgを静脈内投与した場合、投与後48時間までに尿中へ投与量の平均67%が未変化体として、また12%がN-アセチルプロカインアミドとして排泄された(海外データ)5)
。
主として心室性期外収縮に対するプロカインアミドの有効血漿中濃度は4~10μg/mLとの報告がある(海外データ)7) 。
プロカインアミド塩酸塩(Procainamide Hydrochloride)
4-Amino-N-(2-diethylaminoethyl)benzamide monohydrochloride
C13H21N3O・HCl
271.79
白色~淡黄色の結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。
吸湿性である。
1) 内山芳朗 他:医療.1983;37(4):359-363
2) Mark, L.C. et al.:J Pharmacol Exp Ther.1951;102(1):5-15
3) Koch-Weser, J. et al.:JAMA.1971;215(9):1454-1460
4) Reidenberg, M.M. et al.:Clin Pharmacol Ther.1975;17(6):722-730
5) Graffner, C. et al.:Clin Pharmacol Ther.1975;17(4):414-423
6) 松井則明 他:日本腎臓学会誌.1982;24(2):219-226
7) Koch-Weser, J.:Clin Pharmacokinetics.1977;2(6):389-402
8) Pamintuan, J.C. et al.:Am J Cardiol.1970;26(5):512-519
9) Scherlag, B.J. et al.:Am Heart J.1968;75(2):200-205
10) 鴨谷亮一 他:治療.1953;35(5):547-554
11) Elson, J. et al.:Clin Pharmacol Ther.1975;17(2):134-140
12) Weisse, A.B. et al.:Am Heart J.1971;81(4):503-510
13) Joseph, S.I. et al.:Surg Gynecol Obstet.1951;93(1):75-86
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