作成又は改訂年月
**
2019年7月改訂
(第11版)
*
2017年3月改訂
日本標準商品分類番号
871124
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1992年6月
薬効分類名
消化管機能安定剤
承認等
販売名
コレミナール細粒1%
販売名コード
1124024C1035
承認・許可番号
承認番号
22000AMX00818000
商標名
COREMINAL
薬価基準収載年月
2008年6月
販売開始年月
1987年11月
貯法・使用期限等
貯法
遮光室温保存(気密容器)
使用期限
外箱等に表示
規制区分
処方箋医薬品
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成及び性状の表
成分・含量
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添加物
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色・剤形
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1g中、フルタゾラム10mg含有
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乳糖、ヒドロキシプロピルスターチ、リボフラビン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート
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黄色の細粒剤
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一般的名称
フルタゾラム製剤
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1. **急性
閉塞
隅角緑内障の患者〔
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
〕
2. 重症筋無力症のある患者〔筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。〕
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効能又は効果
心身症(過敏性腸症候群、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍)における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ
用法及び用量
通常、成人にはフルタゾラムとして1日12mgを3回に分割経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1. 心障害のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
2. 肝障害のある患者〔副作用が強くあらわれるおそれがある。〕
3. 腎障害のある患者〔高い血中濃度が持続するおそれがある。〕
4. 脳に器質的障害のある患者〔作用が強くあらわれるおそれがある。〕
5. 小児(「小児等への投与」の項参照)
6. 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
7. 衰弱患者〔薬剤に対する感受性が高く、傾眠や運動失調が起こりやすい。〕
8. 中等度又は重篤な呼吸障害(呼吸不全)のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
重要な基本的注意
1. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には
自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう
注意すること。
2. *連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること(「重大な副作用」の項参照)。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
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臨床症状・措置方法
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機序・危険因子
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中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体
等
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相互に作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。
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本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
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モノアミン酸化酵素阻害剤
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相互に作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。
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不明
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アルコール
(飲酒)
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相互に作用が増強されることがある。
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アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
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四環系抗うつ剤
マプロチリン塩酸塩等
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併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こるおそれがある。
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本剤の抗痙攣作用が、四環系抗うつ剤による痙攣発作の発現を抑えている可能性がある。
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副作用
副作用等発現状況の概要
承認時及び市販後使用成績調査において11,011例中、副作用が報告されたのは179例(1.63%)で、主な副作用は眠気88件(0.80%)、口渇31件(0.28%)、めまい・ふらつき・たちくらみ18件(0.16%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
*
依存性
(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
重大な副作用(類薬)
*
刺激興奮・錯乱
刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
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0.1~5%未満
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0.1%未満
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精神神経系
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眠気、めまい・ふらつき・たちくらみ
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眼症状(調節障害、複視、羞明)、頭痛、頭重感、焦躁感、振戦、夜間せん妄
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肝臓
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AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
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循環器
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血圧低下、動悸
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消化器
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口渇、胃腸障害(便秘、下痢)
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食欲不振、嘔気・嘔吐、胃部不快感、膨満感、胃のもたれ、胸やけ、異和感、のどがつかえる
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過敏症
注)
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発疹、皮膚
そう
痒感
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骨格筋
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易疲労感・倦怠感
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筋弛緩、脱力感
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その他
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排尿困難、発汗、性欲減退
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注)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。〔運動失調等の副作用が発現しやすい。〕
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。〕
2. 妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。〕
3. 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
4. 授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)で母乳中へ移行すること及び他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)では、ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが報告されており、また、黄疸を増強する可能性がある。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
過量投与
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。
適用上の注意
薬剤交付時
:PTP包装の薬剤はPTPシートから出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
薬物動態
健康成人(5人)に12mgを経口投与したときの薬物動態は次のとおりである。
1)
1. 血中濃度
(下表参照)
2. 代謝、排泄
24時間後までのフルタゾラム及び代謝物の尿中排泄率は投与量の20~37%であった。
Tmax(hr)
|
Cmax(ng/mL)
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T
1/2
(hr)
|
1
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16
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3.5
|
臨床成績
消化器系心身症618例についてカプセル剤で実施された二重盲検比較試験を含む16種の臨床試験の概要は次のとおりである。
2~7)
1. 消化器系の心身症
過敏性腸症候群、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の消化器系心身症に対する有効率は有効以上62.9%(389/618)であった。
症状別には便通異常、腹痛、腹部膨満感・不快感、悪心・嘔吐等の消化器症状に効果を示した。
2. その他
呼吸・循環器系の心身症、自律神経失調症、神経症等に対しては、ジアゼパムに比し特に優れた特徴は見られなかった。
薬効薬理
中脳網様体-視床下部-大脳辺縁系に抑制的に作用する。馴化作用(ラット及びマウス)及び条件行動抑制作用(ラット)はジアゼパムとほぼ同程度の効力であるが、筋弛緩作用(マウス)はジアゼパムより弱い。
8~11)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
フルタゾラム(Flutazolam)
化学名
10-Chloro-11b-(
o
-fluorophenyl)-2,3,7,11b-tetrahydro-7-(2-hydroxyethyl)-oxazolo[3,2-
d
][1,4]benzodiazepin-6(5
H
)-one
分子式
C
19
H
18
ClFN
2
O
3
分子量
376.81
融点
148~152℃
構造式
性状
フルタゾラムは白色の結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。酢酸(100)、エタノール(95)又はクロロホルムに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、水にはほとんど溶けない。メタノール溶液(1→100)は旋光性がない。
取扱い上の注意
小児の手のとどかない所に保管するよう指導すること。
包装
コレミナール錠4mg:
100錠(PTP:10錠×10)、1,000錠(PTP:10錠×100)
コレミナール細粒1%:
500g(バラ)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1. 小針孝司ほか:薬理と治療
6
(6):1679(1978)
2. 三好秋馬ほか:医学のあゆみ
119
(2):106(1981)
3. 川上 澄ほか:薬理と治療
6
(6):1740(1978)
4. 三好秋馬ほか:薬理と治療
6
(5):1378(1978)
5. 河野友信ほか:薬理と治療
6
(6):1769(1978)
6. 川上 澄ほか:薬理と治療
5
(12):3546(1977)
7. 西田昂平ほか:薬理と治療
5
(9):2515(1977)
8. 満島 隆ほか:日薬理誌
74
:959(1978)
9. 満島 隆ほか:薬理と治療
6
(8):2335(1978)
10. 姉崎 健ほか:日薬理誌
72
:627(1976)
11. 神谷譲二ほか:薬理と治療
6
(6):1637(1978)
文献請求先
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
TEL:0120-381-999
FAX:06-6394-7355
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30